第4章
「鈴木の自由哲学」
鈴木か、鈴木以外か
1割の仕事だけに集中
器用な人は、何でも自分で全部やってしまう
鈴木さんの哲学について聞いてみたいです。
わたしは、仕事をするとき、まず始めに考えるんです。この仕事が「わたしにしかできないこと」なのか、「わたしじゃなくてもいいもの」なのか。それを見極めるようにしてます。カリスマホストのローランドさんのパクリっぽくなっちゃいますが、「鈴木か、鈴木以外か」ってことですね。
これは、多くの人にアドバイスしてますよ。器用な人こそ、何もかも全部、自分でやっちゃうんですよね。
あぁ、ホントそれ、思います。
これがマイナスになっちゃうんです。仕事ができ過ぎるがゆえに、器用貧乏になってしまう人は多い。
器用な人は何でもできるから、「他人に任せるより自分でやった方が早い」って考えがちですよね。
他人に任せていたら時間がかかってしまうから、それなら自分が動こうって。それは、ある意味正しいんですけど、いってみれば、短期目線なんですよ。
長期目線でみると、逆の思考になるんですよね。たとえば「自分がやらなくてもいい10分の仕事」があるとします。それが積み重なると、10分×30日、1ヶ月で300分。つまり5時間になりますよね。1年で60時間。24時間で割ると、2・5日になります。
つまり、「やらなくてもいいこと」を毎日10分間続けていると、1年間で、トータル2・5日分も損をしている計算になってしまいますよね。
命=時間
「命=時間」と定義してみます。
自分で全てやろうとすることは、たとえ毎日10分続けただけでも、年間で2・5日も削られているということです。
たった10分だとしても、1年間で2・5日。これって、かなり大きいと思いません?
ホントにそうですよね。
なので、「自分は何でもできる」っていう過剰意識は、あまり持たない方がいいですね。
鈴木の思考は、基本的に「オレできない」なんです。良い意味で「オレできない」と考える。裏返せば、「オレにしかできないことしか、やりたくない」ってことなんですよ。「自分以外のことは全部任せよう」って。それくらいの気持ちですね。
将来的な時間を得るために、時間をかけて教える
自分でやれば10分で終わる仕事があるとします。それを他人にやらせると、教える時間も含めて1時間かかってしまいます。だとしても、見守るんです。なぜかって?気になりますよね。自分でやった方が早いのに。それは、その人も、いずれ10分で終わるようになるからですよ。ほとんどの人は、できるようになるはずなんです。だからこそ、じっくり温めてみる。
最初はいくら時間かけたって全然いいんです。時間をかけることで、その先ずっと、自分がやらなくても済むようになるんですから。結果的に、その人が10分でできるようになれば、後に、トータルでは時間を得したことになるんですよね。もちろん、仕事が「できる」「できない」はあると思いますが。できるようになるまで待つんです。
自分にしかできないこと = 1日45分労働
「鈴木か、鈴木以外か」の本質。それは「自分にしかできないことだけやる、それしかやらない」ということです。「鈴木ができないこと」、もしくは鈴木にもできるけど「別に鈴木じゃなくてもいい」こと。それを他の人にやってもらうんです。
そう考えると、1日の中で鈴木がやることって、たったの10%しかないんですよね。鈴木にできることというか、「鈴木がすべきこと」ですね。つまり、「鈴木がすべき重要なこと」は、10%。残りの90%は、鈴木じゃなくてもいいということに気付いちゃったんですよ。
なるほど。そういうことでしたか。
今やるべきことのうちの、10%しかやらない。そう決めることが大事だと思うんですよね。そうすると、いままで1日8時間労働だったのが、たったの45分労働になるんです。
なりますね。それ、やばいですね(笑)。
そんな感覚なんですよね。別に、8時間働いたっていいんです。その場合でも「自分にしかできない10%」を8時間やったほうがいい。その方が圧倒的に、能力がめちゃくちゃ発揮できちゃうんですよ。
90%を他人に任せて、自分にしかできないことだけを積み重ねていった方が、最高に良いパフォーマンスができるようになりますよね。わたしが今やってる仕事は、そんな感じです。
お金を払ってでも任せる
将来的な時間を確保するために、10分でできることを1時間かけて教えることには価値がある、ということですね?
そうですね。先ほどの話と重複するのですが。具体的に言うと、仮に1時間かけて教えてあげたとしても、その先で60時間が手に入る。いってみれば、59時間を手にしたようなもの。これは相当でかいですよね。1時間が59時間になるんです。仕事の90%を断捨離するって感じですね。やめるというより、90%はお願いするんです。
「お金を払ってでも任せる」ってことなんですよね。これは自営業の人に、特にオススメしたい考え方です。一人でやってる人って、優秀過ぎて、他人にお願いすることを忘れちゃってるんですよ。サラリーマンの副業でも同じです。
「忙しい」と絶対に言わない自由哲学
もうひとつ、「鈴木の自由哲学」のお話をしますね。
わたしは、「忙しい」という言葉は絶対に使いません。言霊的な考え方になるんですけど、「忙しい」って「心を亡くす」って書きますよね。普段からこういう言葉を使っていると、実際にそうなっちゃうんですよ。だからこそ、忙しいって言わないように気を付けてるんですよね。たぶん聞いたことないんじゃないですかわたしの口から。
そうですね、聞いたことないです。
ですよね、言わないように徹底してますから。わたしはずっと、自由人を目指してたんです。わたしにとっての自由人とは、「時間持ち」のことです。つまり「暇人」なんです。暇人というと、どうしようもない人に思えるかもしれないけど。わたしがいう暇人とは、「今日したいことを自由に決められる人」のことなんです。
自由人の定義は人によって違うので、わたしのように「自由人=暇人」ではない人もいるでしょうね。ですが、「成功して自由人になりたい」のに、日々「忙しい」と言いながら過ごしてるのは、矛盾してると思うんですよね。
たしかに(笑)。
仮に、予定が立て込んでいるとき、わたしは「充実してる」って言い方をします。「最近どうですか?」って聞かれたときに、「忙しい」って答えてしまうと、無意識に不自由な方向に後退してるような気がしちゃうんですよね。
だから、「充実してる」って言い換えるんです。周りに「忙しい」って思われたくないんです。そう思われたら、自由人としては負けだと思ってます。だから、わたしは常に、暇人アピールをしてるんですよね。「やることないので、暇です」って。誰よりも自由人になるためのフェイクイット。これが、長年大事にしている、鈴木の自由哲学です。
鈴木さん、「暇」ってよく言ってますもんね(笑)。
「めちゃめちゃ暇人なんで」って言いますね。言霊だと思っていて、「暇人、暇人」って言ってると、暇人思考になって、毎日が自由になるんですよ。本当にやることがなくなっちゃって。繰り返しますが、「言霊がその人の人生観を作り出す」んです。「やることねーから不倫小説でも書くか~」みたいになるんですよね。
ハハハッ、そこで不倫小説ですか(笑)。
本当にそうなっちゃうんですよ、不思議と(笑)。こういう雑談や、直感のインスピレーションを大事にする。そうすると、新しい事業がスタートしたり、もしかしたら本当に小説作家になるかもしれませんよ。
暇人アピールをしておくと、本当に暇人になります。そして、「忙しい」って言うのをやめたら、結果的に、自分と感性が合わない人は寄って来にくくなるんですよ。一石二鳥じゃないですか?自由になりたければ、「暇人アピール」はかなりオススメですよ。